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ニュース・技術情報

NAS等級のご説明

2023.03.07

技術情報

NAS等級/ISO等級 オイルの「きれい」って何ですか?
目には見えないオイル中微粒子を数値化して判断することの重要性

オイルが「きれい」状態とはどのような状態でしょうか。また、「汚れている」状態はどのような状態でしょうか。
一般的なイメージでは、黒色や茶色に変色していることなく、無色透明で透き通ったオイルが「きれい」なオイルのイメージですが、オイルの清浄度を判断するうえでは、誤った判断方法です。

オイルの「きれい」又は「汚れている」状態は、オイル中の肉眼で見えない汚染粒子の「大きさ」と「数量」を数値化(=等級化)する国際規格である、NAS等級やISO等級で判断することが重要であり、最も信頼性があります。

以下、2つの規格(NAS等級、ISO等級)が、世界で最も一般的に使用されています。

NAS(ナス)等級

「National Aerospace Standard 1638:2001」が正式名称で、英文のなかのそれぞれの頭文字「N・A・S」をとって「ナス」と通称で呼ばれている。日本国内で最も活用されている汚染粒子の評価等級です。但し厳密には、現在はISO等級が世界標準です。NAS等級はJIS規格からも外れています。

100ml中のオイルサンプルの中に下記のとおり区切られた分布の汚染粒子が、いくつ入っているかでNAS等級に当てはめていきます。各粒子分布においてNAS等級が割り当てられますが、その中で、最も悪い等級が当該オイルの総合NAS等級として採用されます。

NAS等級 コード表

NAS等級 5-15μ 15-25 25-50 50-100 >100
00 125 22 4 1 0
0 250 44 8 2 0
1 500 89 16 3 1
2 1000 178 32 6 1
3 2000 356 63 11 2
4 4000 712 126 22 4
5 8000 1425 253 45 8
6 16000 2850 506 90 16
7 32000 5700 1012 180 32
8 64000 11400 2025 360 64
9 128000 22800 4050 720 128
10 256000 45600 8100 1440 256
11 512000 91200 16200 2880 521
12 1024000 182400 32400 5760 1024

NAS等級判定の課題

*本来、航空機部品の付着残渣の量を等級別に表す目的で規定された規格であり、必ずしも油圧システムの保護を目的として策定された規格ではない。
*総合等級の単数等級では、詳細な粒子分布増減が把握できない
*サンプル時に混入しやすい大きな粒子の影響を受け、正しい清浄度把握が難しい

ISO等級

「International Organization for Standard 4406」が正式名称で、一般的によく知られている電気分野を除く工業分野の国際標準化機構により定められている規格です。
現在の事実上の世界標準であり、JISも準拠しています(JISB9933)

1mlのオイルサンプル中に、4μ以上、6μ以上、14μ以上の総粒子が各いくつ入っているかを数値化し、それぞれの結果にISO等級を当てはめていく規格です。

NAS等級のように総合等級の単数で表すのではなく、それぞれの分布をそのままコードとして表します。

例えば、下記表では≧4μが18級、≧6μが16級、≧14μが13級という数値結果だった場合

ISO 18/16/13 という表記となります。

ISO等級のメリット

*NAS等級、その他の清浄度表示方法の課題をクリアするために開発された規格。
*実際の油圧、潤滑システムのトラブルになり得る粒子径4μ、6μ、14μに着目し策定された。
*各分布の粒子増減が把握しやすい。
*サンプリング時の大きな粒子混入による影響が少ない

ISO等級 コード表

粒子数(1ml中) ≧4μ ≧6μ ≧14μ ISO等級
2,500,000-1,300,000       28
1,300,000-640,000       27
640,000-320,000       26
320,000-160,000       25
160,000-80,000       24
80,000-40,000       23
40,000-20,000       22
20,000-10,000       21
10,000-5,000       20
5,000-2,500       19
2,500-1,300     18
1,300-640       17
640-320     16
320-160       15
160-80       14
80-40     13
40-20       12
20-10       11
10-5       10
5-2.5       9
2.5-1.3       8
1.3-0.64       7
0.64-0.32       6
0.32-0.16       5
0.16-0.08       4
0.08-0.04       3
0.04-0.02       2
0.02-0.01       1
0.01-0.005       0

質量法(重量法)の課題

汚染度を評価する方法として、単位面積当たりの流体(例えば100mlのオイル中)に含まれる汚染物質の質量(重量)で評価する方法があります。汚染の程度を単数で表し、(例えば、10mg/100ml)わかりやすいことから、昔から使用されてきています。
しかしながら、現代の高度にすすんだ油圧、潤滑システム中のオイルの清浄度を評価する目的においては、課題があります。

→汚染粒子の大きさと数が同じでも、汚染物質の種類によって密度違うため質量汚染度が異なる。
→質量汚染度では、汚染粒子の粒度分布がわからない。
 (機器の隙間と同程度の大きさの汚染粒子が摩耗、摩擦、固着及びオリフィスの目詰まり原因となる為、粒子の大きさと数量を把握することが重要)

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